砂漠が一面の花畑に、真冬のチリで異常に早い開花
(CNN) 南米チリの北部にあるアタカマ砂漠が、白や紫の色鮮やかな花が一面に咲き誇る花畑に変わっている。
アタカマ砂漠は数年ごとに花で覆われることから「花の砂漠」と呼ばれる。砂の中で眠っていた花の種は、雨が降って気温が上がると目を覚ます。
例年であればこの現象は春に起きる。南半球はまだ真冬だが、今年はエルニーニョ現象の影響で異常に早く気温が上がって雨が増え、花が開花した。
アタカマ砂漠では適切なレベルの降雨量と気温になると数年ごとに花が咲く=6日、チリ北部/Rodrigo Gutierrez/Reuters
チリのカトリック大学がまとめた2022年の統計によると、花畑は過去40年で約15回出現している。
アタカマ砂漠では花は通常春に咲くが今年は例年より降雨量が多かったため開花が早まったとみられる/Rodrigo Gutierrez/Reuters
チリ農業省森林公社(CONAF)の専門家がロイター通信に語ったところによると、花の咲き方はまだ不十分で、公式に「花の砂漠」と認定するには至っていない。
しかし今後も降雨が予想されることから、花が咲く範囲はさらに広がる可能性があるという。
チリ政府は22年、希少な花や昆虫、爬虫(はちゅう)類、鳥類などの野生生物を保護するため、アタカマ砂漠に国立公園を新設すると発表した。