チリ森林火災、死者123人に 過去最多の死者数か
(CNN) 南米チリの各地で発生している森林火災による死者数は記録が残る中では最多とみられる可能性があることがわかった。森林火災は数日にわたって続いており、消防当局が160カ所以上の現場で消火活動に取り組んでいる。
チリ当局によれば、火災によって少なくとも123人が死亡したほか、依然として数百人が行方不明となっている。当局によれば、33人の遺体の身元が判明したほか、79人の検視が行われた。
国連防災機関(UNDRR)によれば、数百人が行方不明となっており、死者数はさらに増える見通し。
火災はチリの中部や北部で燃え広がり、数千軒の住宅や建物を破壊し、いくつもの地域が灰となった。
チリのボリッチ大統領は6日、今回の森林火災について、2010年に起きた地震以来の「最大の悲劇だ」と述べた。10年に発生したマグニチュード(M)8.8の地震では数百人が死亡した。
ボリッチ氏は4日に非常事態宣言を発令した。当時は沿岸部のビニャデルマールやバルパライソでは街に煙が立ち込め、火災は森林部から都市部へと移っていた。
火災によって焼失した町の航空写真=5日、チリ・ビニャデルマール/Esteban Felix/AP
ボリッチ氏は、5日と6日を火災の犠牲者を悼む服喪の日とすると発表した。
チリの破滅的な火災は、エルニーニョ現象と地球温暖化の長期的な傾向がぶつかり合い、干ばつと熱波がより激しく頻繁に発生することによって引き起こされている。
チリはこの10年間、少なくとも過去1000年で最長となる大規模な干ばつに見舞われており、水の供給がひっ迫し、乾燥のため各地で火災が発生しやすくなっている。