チリで森林火災が多発、死者99人 非常事態宣言も
(CNN) 南米チリの各地で森林火災が多発し、4日午後までに少なくとも99人が死亡した。現地のCNNが政府当局の話として伝えた。
国内に非常事態宣言が発令され、沿岸部のビニャデルマールやバルパライソでは街に煙が立ち込めた。中部一帯の住民らが避難を強いられている。
国家防災対策庁の責任者がCNNとのインタビューで語ったところによると、全国161カ所で火災が続いている。このうち102カ所は下火になったが、40カ所で必死の消火作業が続き、19カ所は監視下にある。
ボリッチ大統領は4日に現地を視察した後の記者会見で、死者数はまだ大幅に増える恐れがあると指摘した。また、5日と6日を犠牲者のための服喪の日と定めた。
現地のCNNによれば、死者のうちこれまでに身元が判明したのは32人。
バルパライソ州知事は4日、ビニャデルマール、キルプエ、ビジャアレマナ、リマチェで消火活動に集中するため、夜間の外出を禁止していると述べた。
火災によって焼けた車両/Javier Torres/AFP/Getty Images
都市部に近いバルパライソ市内で、約372人が行方不明になっているとの情報もある。
キルプエ市長はCNNとのインタビューで、火災の規模は過去最大とみられ、市内で1400棟近い民家に被害が及んでいると述べた。
チリはこのところ熱波に見舞われ、首都サンティアゴでは33度を超える乾燥した日が続いていた。
警察によると、火災に関連してこれまでに少なくとも男性1人が拘束された。中部タルカで溶接作業中に火が出て、近くの草原に広がったとされる。