恐竜を絶滅させた小惑星、正体は巨大な泥団子か 研究結果

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デンマークの地層に見られる白亜紀と古第三紀の境界。論文著者らは高濃度のルテニウムを含んだ赤い粘土層を分析した/Philippe Claeys via CNN Newsource

デンマークの地層に見られる白亜紀と古第三紀の境界。論文著者らは高濃度のルテニウムを含んだ赤い粘土層を分析した/Philippe Claeys via CNN Newsource

恐竜絶滅を招いた小惑星の化学組成が明らかに

小惑星は、金属質、石質、コンドライト質の3種類に大きく分類され、それぞれ独自の化学的・鉱物的組成を持っている。新しい研究では、ゴデリス氏と、同研究の主著者である独ケルン大学のマリオ・フィッシャー・ゲッデ博士を含む研究チームが、小惑星の秘密を解き明かすために薄い粘土層の化学組成を調べた。

デンマーク、イタリア、スペインから6600万年前の岩石を採取し、金属ルテニウムを含む部分を分離したほか、他の小惑星衝突地点や隕石(いんせき)のルテニウムも分析した。その結果、6600万年前のルテニウムの化学組成が、ある種のコンドライト隕石に含まれるルテニウムの化学組成と一致していることを発見した。

つまり恐竜を絶滅させた小惑星は、水、粘土、有機(炭素含有)化合物がしばしば含まれる太古の宇宙岩石、炭素質コンドライトであったと考えられる。

炭素質コンドライトは水、粘土、炭素含有物をしばしば含み、宇宙由来の岩石の大半を構成する/Dona Jalufka via CNN Newsource
炭素質コンドライトは水、粘土、炭素含有物をしばしば含み、宇宙由来の岩石の大半を構成する/Dona Jalufka via CNN Newsource

今回の発見が意味するもの

チクシュルーブのような規模の衝突は1億~5億年に一度しか起こらない。だが、地球が他の小惑星や巨大隕石と衝突する可能性は依然としてあるため、大きな宇宙岩石との衝突から「身を守る方法を考えるうえで、これらの物体の物理的・化学的特性を知る」のは良いことだとゴデリス氏は述べた。

同氏は、NASAが22年に行った二重小惑星軌道変更試験(DART)のミッションを例に挙げた。さまざまな種類の小惑星が周囲の物理的な力とどのように相互作用するかを知ることは、効果的な惑星防衛作戦にとって極めて重要となる。

炭素質コンドライトは、通常のコンドライトとは全く異なる反応を示すため、「適切な対応を取るには、これについて学ぶ必要がある」とゴデリス氏は指摘している。

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