バイキング時代の人骨50体を発掘、「保存状態極めて良い」 デンマーク
ルンド氏はプレスリリースの中で次のように述べている。「この女性は、おそらく自身が乗っていた荷車の中に埋葬されていた。女性は最高級の衣服や持ち物とともに埋葬されたと考えられる。美しいガラスビーズのネックレス、鉄製の鍵、銀糸の柄のナイフ、そして特筆すべきは、お守りとして使われていたと思われる小さなガラスの破片だ」
「荷車の足元には、精巧な装飾が施された木製の箱があったが、その中身はまだ明らかではない」
近くに埋葬されていた別の人物の墓からは、三股に分かれた青銅製のブローチや赤いガラスビーズ、鉄製のナイフ、小さな水晶片が発掘された。
ルンド氏によると、特に興味深いのはこの水晶だという。
「水晶はデンマークでは自然に産出しないため、ノルウェーから持ち込まれた可能性が高い。今回出土した複数の副葬品が、バイキング時代にバイキングが発達した国際交易ネットワークに関係していたことを示している」
リリースによると、この埋葬地の発見は、オースムが最も初期の都市開発の重要な地理的拠点であり、最終的にデンマーク第3の都市であるオーデンセの形成につながったことを裏付けているという。
発掘現場を上空から捉えた画像/Tom Little/Reuters
現在も考古学者らは埋葬地の一部で発掘を進めているが、人骨と副葬品の大半は博物館に保管され、さらなる調査が待たれている。人骨はいずれ首都コペンハーゲンに送られ、科学者らが人骨からDNAを抽出する計画だ。
ルンド氏は「人々の年齢や性別、病歴、血縁関係など、さらなる情報が得られるだろう」と述べている。