中国から貸与のジャイアントパンダ2頭、米ワシントンへ出発
都江堰(CNN) 中国野生動物保護協会は、米首都ワシントンのスミソニアン国立動物園に貸与されるジャイアントパンダ2頭が中国を出発したと発表した。
オスの「バオリー」とメスの「チンバオ」は現地時間の14日夜、中国南西部の生息地に近い都江堰パンダ基地を出発。15日未明、フェデックスが運航するボーイング777型機の専用チャーター便「パンダエクスプレス」に乗せられて、ワシントンへ出発した。
中国からワシントンにパンダが送られるのは24年ぶり。スミソニアン動物園で飼育されていた2頭とその間に生まれた子どもは昨年11月、中国に返還された。
過去11カ月間、空になっていたパンダ舎は、100万ドル(約1億5000万円)を投じた改修を終え、新しいパンダの到着を待っている。貿易や外交をめぐって米中の緊張が高まる中、パンダ外交は数少ない明るい話題でもある。
2頭のパンダは大型の輸送クレートに入れられて待機していた2台のトラックに積まれ、都江堰パンダ基地を出発した。CNNは唯一の外国メディアとして出発の様子を取材した。
バオリーは落ち着いた様子でクレートの中をゆっくりと歩き回っていた。チンバオは落ち着かない様子で立ち上がり、鼻先や足先を格子の間から突き出していた。
14日に近くのホテルで開かれた見送り式には、出発を見守るために四川省を訪れたスミソニアン動物園の責任者ブランディ・スミス氏が出席。1972年に初めてのパンダが米国に到着して以来、半世紀にわたって続いてきたパンダ保護の協力関係を賞賛した。
2頭のパンダは10年間、スミソニアン動物園に貸与され、中国の保護活動を支援するため年間100万ドルが拠出される。