パキスタン・カラチ国際空港付近で中国人狙った自爆テロ、2人死亡
カラチ(CNN) 在パキスタン中国大使館は7日、カラチ国際空港付近で6日夜に自爆テロがあり、中国人2人が死亡、1人が負傷したと発表した。これは近年、パキスタンで発生している中国の要員や投資に対する一連の暴力事件の最新事例だ。
現場の救助隊員によると、少なくとも他に7人が負傷した。爆発で車が炎上し、市内全域に爆発音がとどろいた。
反政府武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出し、爆発はパキスタン最大の航空拠点であるジンナー国際空港を出発する中国人エンジニアと投資家の車列を狙った自爆テロだったと述べた。中国大使館によると、この攻撃は電力会社の中国人スタッフを乗せた車列を狙ったものだった。
パキスタンの治安当局高官はCNNに対し、自爆テロだったことを確認し、当局が実行犯の経歴を捜査中だと述べた。
パキスタンのシャリフ首相はX(旧ツイッター)で、この事件を「強く非難」。「中国指導部と中国国民に心からの哀悼の意」を表明した。
今回の事案は、今年に入ってから相次いでいるテロ攻撃に続くものだ。パキスタン政府はこれらの攻撃を同国と中国との緊密な関係を分断することを狙ったものだと述べている。また来週には中国とロシアが主導する上海協力機構の首脳会議が首都イスラマバードで開催される。
パキスタンは中国の戦略的同盟国であり、習近平(シーチンピン)国家主席の巨大経済圏構想「一帯一路」においても主要な関係を持つ。この構想のもとで進められているプロジェクトは、近年パキスタンが武装組織やテロリストによる暴力の増加に取り組んでいることを含め、増大する安全保障上の課題に直面している。
中国は2015年に開始された一帯一路の旗艦プロジェクトである中国・パキスタン経済回廊(CPEC)に数百億ドルを投資している。同プロジェクトは道路、鉄道、パイプライン、発電所のネットワークで中国西部の新疆ウイグル自治区とアラビア海に面するパキスタンのグワダル港を結ぶものだ。
しかし、パキスタンの一部の地元住民は、中国が資金提供したプロジェクトによる開発からほとんど恩恵を受けていないとして反発している。反中国感情は南西部バルチスタン州の分離主義組織の間で特に根強い。
6日の犯行声明を出したBLAは、同州の複数の分離主義組織の中で最も勢力が強い組織だ。