「重度」の脳卒中、高血圧・喫煙・不整脈と強い関連 新研究
(CNN) 脳卒中を引き起こすリスク要因の一部は、軽度の脳卒中よりも重度の脳卒中との関連が強い可能性があることがわかった。学術誌「ニューロロジー」に20日に掲載された研究で明らかになった。
2018年11月の調査によると、脳卒中は世界で3番目に多い死因で、年間約550万人が死亡している。
米疾病対策センター(CDC)によると、脳卒中に関連するリスクには、高血圧、心房細動、喫煙などがある。
この研究は、「インターストローク」研究の一環として07年から15年にかけて収集されたデータを再検討した。患者は32カ国・142のセンターから募集され、リスク要因を測定するための標準化された質問に回答した。
研究者らは脳卒中の患者1万3460人を観察。患者の障害の程度を測定する6段階の尺度を使用して重度かどうかを分類した。
研究の筆頭著者であるカトリオナ・レディン博士は電子メールで「この研究は、修正可能なリスク要因と重度および軽~中等度の脳卒中との関連性を調査した。高血圧、喫煙、心房細動(不整脈)の三つのリスク要因は、軽~中等度の脳卒中と比較して重度の脳卒中リスクが高いことと関連していた」と述べた。「これは脳卒中の他のリスク要因とともに、これらのリスク要因を管理することの重要性を強調している」
バランスの取れた食事や定期的な運動などにより、健康的なライフスタイルを維持することが重要だという/FG Trade/E+/Getty Images
これまでの研究では、肥満、高血圧、高コレステロールが脳卒中と関連していることが示されており、これは今回の新しい研究結果とも一致している。
高血圧は、不健康な生活習慣のほか、糖尿病や肥満などの特定の健康状態が原因で起きる可能性がある。妊娠中にも起きる場合がある。
クリーブランド・クリニックによると、高血圧は心臓の組織や伝導系にダメージを与え、心房細動、つまり不整脈を引き起こす可能性がある。
喫煙は心血管疾患と強い関連があり、血液凝固を引き起こし、心臓や脳への血流を遮断する可能性がある。
米ナショナル・ジューイッシュ・ヘルス病院のアンドリュー・フリーマン氏によると、植物を食べ、運動を増やし、ストレスを減らすほか、より愛情を注ぎ、十分な睡眠をとることに注力することで脳卒中のリスクを下げることができる。
食事の塩分を減らし、コレステロールの高い食品を避け、新鮮な果物や野菜を食べることは血圧を下げるのに役立つ。
また、活動的であることも血圧を下げ、健康的な体重を維持することにつながる。実際、米心臓協会によると、活動的な人は最も非活動的な人に比べ脳卒中のリスクが25~30%低いという。