シャチの群れが世界最大の魚ジンベエザメを捕食、初めて詳細に記録 新研究
研究結果は科学誌「フロンティアズ・イン・マリーンサイエンス」に29日付で掲載された。論文に記述されている狩りが行われたのは2018~24年で、科学者や一般市民がその様子を画像や動画に撮影した。
論文の著者らは背びれなどの特徴や体の傷跡をもとに、狩りに加わったシャチを特定することができた。4回の狩りのうち3回には、アステカ王にちなんで「モクテスマ」の愛称が付けられた体長8メートルの雄のシャチが参加していた。
モクテスマと一緒にいる姿が以前目撃されていた雌のシャチも、狩りのうち1回に参加していた。非営利団体所属の海洋生物学者、エリック・イゲラ・リバス氏によると、これは両者に血縁関係があるか、同じ群れのメンバーである可能性を示唆しているという。
研究チームの分析により、群れで狩りを行うことが多いシャチがどのようにしてジンベエザメを制圧するのか、正確な方法が判明した。
まず、シャチたちはジンベエザメに高速で体当たりする。次に、ジンベエザメの体をひっくり返して仰向けで浮かぶように仕向け、潜って逃げることができないようにする。そのうえで、ジンベエザメの腹部に噛(か)みついて流血させ、内臓を食べるという流れだった。