アフガン出身女性、「食べられるブルカ」制作 固定観念に挑む
(CNN) イスラム教徒の女性が体全体を覆う衣装「ブルカ」をテーマに、固定観念を打ち砕くような写真を撮り続ける女性がいる。アフガニスタン出身の米国人アーティスト、ベナズ・ババザデさんだ。
顔や体をベールで覆ったイスラム教徒の女性。その姿は現代の欧米社会で、強烈な政治的意味を持つ。中でもブルカは、非イスラム教徒の目から見て最も異様なベールだ。
異質なものは怖い、だがそれを口にすれば差別になる。人々の交錯する感情をさらにえぐるように、ババザデさんはブルカを撮る。その作品は見る者の心に焼き付き、昨年は世界的な講演会運営団体「TED」の関連イベントで話す機会も得た。
ババザデさんは幼い頃、家族とともにアフガンからイラン経由で米国へ移り住んだ。故郷で大人の女性たちがまとっていたあのきれいな布が、ここでは必要ないらしい。それを知って驚いたことを覚えている。
米同時多発テロが起きたのは10代の時。それまでは米国人がほとんど耳にすることもなかったアフガンという国に、全米の関心が集まった。自分も祖国の風習をもっとよく知りたい。そんな思いがババザデさんを制作に駆り立てた。
学校でデザインを学んだババザデさんは、さまざまな実験的試みを写真という形で記録することにした。
学生の頃、「ラテックス・レディー」と呼ばれる英国人のことを聞いたことがある。性行為で拘束、調教、支配される役を好む女性で、拘束衣用にラテックス製のブルカを特注したという話だった。