英王子と婚約のフェミニスト、王室の現実を前に沈黙か

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米女優のメーガン・マークルさんは様々な場面で女性や非白人の権利を訴えてきた

米女優のメーガン・マークルさんは様々な場面で女性や非白人の権利を訴えてきた

(CNN) 米国人女優のメーガン・マークルさんと英国のヘンリー王子が婚約した。それはフェミニストが英王室の一員となることを意味する。

マークルさんの王室入りは、あらゆる点で急進的だ。マークルさんは黒人と白人のハーフの米国人で、フェミニストを自称し、様々な場面で女性や非白人の権利を訴えてきた。しかも素晴らしいキャリアをもつ。

年は夫となるヘンリー王子よりも上で、離婚経験もある。祖先はかつての奴隷だった。「ランチに出かけるような夫人になりたいと思ったことはない。働く女性になりたいとずっと思っていた」。今はなくなったブログには、そう記していた。

そんな女性が、結婚して女優としてのキャリアを捨ててしまうことに、強い失望を感じる。

当然ながら、マークルさんは自分が幸福だと思えることをすればいい。いずれにしても、いつかは燃え尽きたり飽きたりして仕事をやめるかもしれないし、何年か宮殿で暮らして世界を旅したいだけなのかもしれない。

しかし王室の現実として、物議をかもす言動は封印される。もちろん、児童養護施設を訪問したり、女性の権利について語ったりはできるかもしれない。だがそうした女性の地位向上を実現させる政策に支持を表明したり、自分の気持ちを自由に口にしたりすることは、できそうにない。王室一家は、自分の政治的意見を表明したり、誰に投票するかを示唆したりはしないものとされている。

不平等や服従を助長している制度や政治や政策を名指しで批判できなければ、平等を訴えて抑圧と戦うことはできない。マークルさんが自分の信念のために時間を費やしたいという気持ちは尊敬できるが、王室の一員である条件として、そうした取り組みは非政治化され、訴えの効果は発揮しにくい。

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