債務危機背景に政治決戦一色、スペインサッカーの「クラシコ」
(CNN) スペインが直面する深刻な債務危機を背景に、7日に行われる同国サッカーの伝統の一戦、バルセロナ対レアル・マドリードの試合が例年以上に「政治決戦」の色合いを強めている。
スペイン1部リーグだけでなく世界のサッカー界での最強の座を賭けてしのぎを削り続ける両クラブの対決は「クラシコ」と呼ばれて毎年熱い戦いとなり、ピッチ上での選手間のいざこざなども日常茶飯事だ。今年は債務危機に根差した中央政府とバルサが本拠とするカタルーニャ自治州との間の確執がこれに影を落としている。
巨額の債務を抱えマドリードの中央政府は欧州連合(EU)などに財政支援を要請。同時に国内各州に対し赤字削減の緊縮政策の実行を指示した。これに対しスペイン各州で最大の経済規模を持つカタルーニャ州政府は中央政府へ過重な支出配分をこれまで強いられてきたと反発、負担削減など公平な財務協定の締結を求めている。
独自の言語を抱き、中央政府からの弾圧を受け続けてきた歴史も持つ同州には独立運動も長くくすぶっている。
バルサによると、本拠地カンプ・ノウで行われる7日の試合では開始から「17分14秒後」に入場者がカタルーニャ語で「国歌」を斉唱する予定。同スタジアムの収容能力は最大で9万8000人。