消息不明の有名女優に罰金命令、脱税調査で 中国
北京(CNN) 映画やテレビで世界的に活躍していたなか突如として姿を消し、消息が分からないままになっている中国の有名女優、范冰冰(ファンビンビン)氏に対して、中国当局が脱税したとして罰金を科していたことが分かった。中国国営新華社通信が3日、報じた。
報道によると范氏とその関連会社に対し、複数の映画プロジェクトで得た収入を適切に申告しなかったとして、未納の税金と課徴金およそ4200万ドルと罰金約8600万ドルの支払いが命じられた。期限までに支払いを終えれば、刑事罰には問わない方針だという。
中国の税務当局はエンターテインメント業界の脱税摘発に力を入れており、范氏への調査は他の業界有力者への警告と受け止められている。当局は罰金などの支払いを命じられたケースについて、12月31日までの期限を過ぎれば刑事罰を科される可能性があると説明する。
范氏は中国や欧米の映画に出演していたスター女優で収入もトップ級だった。高級ブランドのCMにも起用され、2015年のタイム誌では中国で「最も有名な女優」に選ばれていた。
ところが5月下旬、本人の署名の入った映画出演の契約書とされる画像が中国のソーシャルメディアに掲載されると、6月初旬から公の場に姿を見せなくなった。
新華社によれば、今回のケースでは范氏の代理人が調査の妨害や証拠の隠滅を図ったとして警察に拘束されている。
また中国東部江蘇省にある複数の税務局の職員にも、范氏の脱税に関与した疑いがかかっている。