今夏の米映画市場、ディズニー好調も全体の興収は微減
ニューヨーク(CNN Business) 人気作の続編も数多く公開された今年のサマーシーズンだが、米映画市場での興行収入は、米ウォルト・ディズニーを除いては振るわなかったようだ。
5月の最初の金曜日から「レイバー・デー(労働者の日)」の祝日に当たる9月最初の月曜日までの興行収入は前年同期比で約2%減少した。2年前の14%減より減少幅は小さいものの、国内市場の興行成績はすでに前年比6%減となっており、市場にとってさらに厳しい状況となった。
ただ、光明がないわけではない。「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」はシリーズとしては世界興収が初めて10億ドルを突破した。「ジョン・ウィック:パラベラム」と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」はR指定の作品ながら興収は好調だった。しかし、調査会社コムスコアのシニアメディアアナリスト、ポール・ダーガラベディアン氏は、作品の多くは「前評判通りとはいかなかった」との見方を示した。
ダーガラベディアン氏はCNN Businessの取材に対して、ブランドは依然として重要だが、観客に映画館で興奮できる体験を提供できるような内容がなければならないと指摘した。
続編ものでいうと、「メン・イン・ブラック:インターナショナル」と「X―MEN:ダーク・フェニックス」の興収は市場の予測を下回った。ダーク・フェニックスの世界興収は2億5200万ドルにとどまり、X―MENシリーズとしては最も低い数字となった。
また、コメディー作品にとっても厳しいシーズンとなった。興収上位20作に入った作品は「イエスタデイ」など2作品にとどまった。
一方で、ディズニーは上位5作品の中に3作品が入った。「ライオン・キング」は5億1100万ドルで興収首位。2位には「トイ・ストーリー4」(4億2600万ドル)が、4位には「アラジン」(3億5300万ドル)が入った。
今夏、ディズニーにとっては2つの大きな出来事があった。マーベルの人気シリーズ「アベンジャーズ/エンドゲーム」が歴代の興行成績で、これまで1位だった「アバター」を抜いて首位にたった。ディズニーは7月、年間の世界興収が過去最高を記録したと明らかにしていた。まだ5カ月を残した時点での記録達成だった。