ロシアの40歳女性、バイカル湖の氷の下を85m潜水 世界記録達成か
(CNN) ロシア・シベリア地方のバイカル湖でこのほど、モスクワ在住の女性が氷の下を潜水で85メートル進むことに成功した。
エカテリーナ・ネクラソワさん(40)は今月7日、水着と水泳帽、ゴーグルだけを身に付け、湖面を覆う氷を切り出して作った入り口から水中にはしごを使って入った。目印のケーブルに沿って潜水し、ほぼ0度と思われる水温の中1分半息を止めて泳ぎ切った。最後は出口のはしごを上って氷上に出た。
今回の挑戦で氷の下での潜水距離の世界記録を達成したと見られる。ギネス・ワールド・レコーズはCNNに対し、ネクラソワさんの挑戦の詳細情報を受け取っているが、まだ認定はしていないと述べた。
地元紙シベリア・タイムズがツイッターで、ネクラソワさんが泳ぐ映像を公開した。
Footage shows Ekaterina Nekrasova, 40, holding her breath as she swims without wet suit or flippers in +0.02C water/-22C air. The 85m breaststroke swim in Lake Baikal took 1.5 min; holes were cut in the 10-inch thick ice at regular intervals in case she needed to abort the swim pic.twitter.com/ya2fD1ImMF
— The Siberian Times (@siberian_times) January 11, 2021
今回の挑戦は地上と水中の両方から映像で記録された。挑戦中はサポートチームが背後からウェットスーツを着て追いかけ、万一の事態に備えた。同紙によると、途中で中止する場合を考えて、厚さ約25センチの氷に一定間隔で穴をあけておいたという。
当初は前日の6日に挑戦を予定していたが、嵐のような風が吹く「ひどい天候」だったという。気温マイナス30度、体感温度はマイナス42度で、危険な状況と判断して延期を決定。翌7日は気温がマイナス21度に上昇し、風も少し収まったことから決行した。
ネクラソワさんは今回の経験を「楽しかった」と表現。最後は感極まったとも述べ、「この場所の力強いエネルギーが私を助けてくれた。ありがとう、バイカル湖!」と語った。
出口のはしごを上って氷上に出るネクラソワさん/Courtesy Yekaterina Nekrasova
同日はロシア正教のクリスマスにあたる。ロシアでは洗礼祭の寒中水泳は多くの国民にとって伝統となっている。
ネクラソワさんがフリーダイビングを始めたのは4年前。モスクワでは週に4回は温水プールで、2回は氷の中に飛び込んで訓練をしているという。「氷の下で潜水をするとエネルギーがあふれてきて生まれ変わったかのよう。何物にも代えがたい感覚でとても楽しい。いつもしたいと思う」と語っている。
モスクワでも週に2回は氷の中に飛び込むトレーニングをしているという/Courtesy Yekaterina Nekrasova
ギネス・ワールド・レコーズによると、氷の下の潜水での最長記録は2013年にデンマーク人のスティ・セベリンセンさんがグリーランドで打ち立てた250フィート(約76.2メートル)。女性では昨年2月29日に南アフリカのアンバー・フィラリーさんがノルウェーの湖で229.659フィート(70メートル)を泳いでいる。