答え求めるサッカーファン、試合後の暴動への取り締まり巡り インドネシア
人口2億7300万人超のインドネシアでサッカーは極めて人気の高いスポーツだが、国内リーグの試合では暴力と警察の手荒い取り締まりとが数十年にわたり繰り返されてきた。
同国のスポーツアナリスト、デックス・グレンニザ氏は、インドネシアのサッカー文化には有害な側面があり、ピッチ内外で確かに問題が存在すると指摘。大きな試合には、機動隊と装甲車がつきものだと語った。
「街同士で競争する全てのスポーツクラブの試合は、サッカーに限らず常に激しいものとなる。彼らは『勝ち誇る権利』を求めて戦っている」(グレンニザ氏)
FIFAは2日発表の声明で、マランでの事件を「理解を超えた悲劇」としつつ、催涙ガスの使用については言及しなかった。当該の試合はFIFAの直接の管轄下にはないが、仮にFIFAがインドネシアに処罰を与えるとすれば、国内リーグが影響を受けるのは必至だとグレンニザ氏は指摘する。同国は来年20歳以下のワールドカップ(W杯)開催を控えていることから、政府もそれについて懸念を抱いているという。
FIFA主催のU―20W杯は、インドネシア6都市を会場に、来年の5月から6月にかけて開催される。
3日には試合後に死亡した人たちの葬儀の手配が行われ、サポーターらがスタジアムの外で献花した。ファンの一部からは、悲劇の発生を受けてチームのサポートについて考え直したとの声も上がっている。