アラン・ドロンさん死去、フランス映画界のレジェンド俳優 88歳
(CNN) 「太陽がいっぱい」などの名作映画で知られるフランスの俳優アラン・ドロンさんが死去した。88歳だった。プロデューサーや脚本家としても活躍し、謎めいた美しさで世界を魅了した。
AFP通信が伝えた家族の談話によると、ドロンさんはフランス中部ドゥーシーの自宅で、3人の子どもと家族に囲まれて安らかに息を引き取った。晩年は健康状態が悪化し、2019年には脳卒中を患っていた。
フランスのマクロン大統領は「単なるスターではない。フランスの象徴だ」とドロンさんを追悼した。
ドロンさんはフランスと欧州の映画界の象徴的存在だった。一方で、政治的見解や女性に対する態度をめぐって批判されることもあり、19年のカンヌ国際映画祭で名誉パルムドールを受賞した際には女性団体から批判が噴出した。
パリ南郊のソー市に生まれ、1957年に殺し屋の役で映画に初出演。アンチヒーロー役を数多く演じて60年代には欧州映画界の大物俳優になった。
68年にはフランス上流社会のスキャンダルに巻き込まれて事情聴取を受けたが、起訴はされなかった。
英語の作品にも多数出演したものの、欧州映画ほどの成功を巻き起こすことはできなかった。
85年に映画「真夜中のミラージュ」で米国のアカデミー賞にあたるセザール賞最優秀主演男優賞を受賞。映画「山猫」ではゴールデングローブ賞にノミネートされた。
晩年はテレビドラマに出演し、05年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章を授与された。