自動車にもハッキングの脅威、ネットワーク接続があだに
「プリウス」に関してもやはり、ブルートゥースやラジオのような無線通信と、ステアリングやブレーキが同一ネットワーク上にある点が問題視された。
いずれの車でも、車を制御するネットワークシステムが問題となる。このネットワークが入り口となってハッカーの侵入を許してしまう可能性があるためだ。
特に、ステアリングのように重要な機能を制御するネットワークの同一延長上にインターネット接続がある場合、ハッキングの危険性が増大するという。インターネット接続されている部分をハッキングされると、そこを足がかりとして、ドライバーの安否に直接に関わる機能まで一気にハッキング操作されてしまう恐れがある。
ハッキング被害として具体的に想定されているのは、携帯電話に誤ってウイルスをダウンロードしてしまったような事例だ。この携帯電話がブルートゥースを介して車につながっており、さらにブルートゥースとブレーキが同一のネットワーク上のある場合、ハッカーは遠隔操作により急ブレーキをかけさせることができる。
逆に「アウディA8」のようにハッキングが難しい車では、ハイテク機能を制御するコンピューターと無線通信ネットワークが別々になっていた。脆弱性が最も低いとされた「ダッジ・バイパー」の場合、そもそも、コンピューター制御されている機能が少ない。