次のトレンドは自己変形 「4Dプリント」が切り開くモノ作りの未来
4Dプリンティングの応用範囲は広い。ファッション業界や家具業界でも自己組み立て技術の応用が見込まれているほか、米軍も大学での研究に助成金を出している。異なる環境に合わせて軍備を変形、カムフラージュすることが狙いだ。
「自己組み立て研究室」に素材を提供しているカーデックス社の創業者ジュヌス・カーン氏は、「顧客は次のビッグアイデアを求めている。貪欲に技術革新を追求している各社は、自己組み立てが製造業を一変させると確信している」と話し、製造業界で4Dプリンティング熱が高まっているのをひしひしと感じている。
製造業は従来、安価な労働力を求めて海外移転せざるを得なかったが、4Dプリンティングの普及により、単純な組み立て作業そのものを省略できるようになるという見立てだ。
気になるのは、3Dプリンターの場合と同じく雇用問題だが、ティビット氏はうんざりしたような表情でこう答えた。「テクノロジーが仕事を奪うのではないかと、至る所で散々言われている。だがテクノロジーは常に、破壊するよりも多くの雇用を創出してきた。もう一つ懸念されているのは、テクノロジーが制御不能になったり悪用されたりすることだが、懸念すべきなのは人であってテクノロジーではない。投資をやめるべきではない」