VR技術を手術に活用、珍しい症例の赤ちゃん救う

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VR技術の活用が綿密な手術プランの確立につながったという

VR技術の活用が綿密な手術プランの確立につながったという

しかし、彼女の心臓の外科手術を行うには、胸郭など周辺の構造との関係で心臓を可視化する必要があった。バーク医師は、バーチャル画像を用いることで、クラムシェル切開は行わず、通常の正中切開のみで済ませる方法を見出した。

さらに、ティーガンちゃんの胸を切開した後も、グーグル・カードボードは大いに役立ったという。

他に類を見ない欠陥と生体構造を持つティーガンちゃんには、心室が1つしかない子どもに対して行う通常の手術は行えない。そこでバーク氏は、バーチャル画像を使って新たなやり方を考案した。それは、ティーガンちゃんの右心室を補強した上で、別の経路で血液を送り出せるようにすることにより、長期的に2つの心室の役割を果たせるようにするというものだ。

バーク医師は、実際にティーガンちゃんの体を切開する前に手術の全ての道筋を立てる必要があった。手術を開始してから手術の計画を練っていたら、赤ちゃんを心臓障害や脳障害の危険にさらすことになるためだ。

ティーガンちゃんの手術前夜、バーク医師はベッドに横になりながらグーグル・カードボードの画像を基にティーガンちゃんの心臓をイメージし、綿密な手術プランを立てた。そして翌日、ティーガンちゃんの体を切開してみると、彼女の心臓はまさにバーク医師が思い描いた通りだった。

そのおかげで、バーク医師は慌てることなく、落ち着いて手術を進めることができた。

バーク医師は「(医師が冷静に手術を行えるかどうかが)患者の生死を分けることもある」と力を込めた。

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