パトカーが容疑者識別も、AI活用の警察向け車載カメラ発表
ワシントン(CNNMoney) 警察用向けのカメラ販売を手がける米コーバン・テクノロジーズはこのほど、人工知能(AI)を使って人物から車種や銃まであらゆるものを識別できる車載カメラを発表した。
このカメラでは、例えば自動車の車種などを自動的に識別できる。現在のカメラでもナンバープレートを読み取ることはできるが、コーバンの車載カメラの場合、ナンバープレートがなくても識別が可能だという。
現時点で同カメラの機能はまだ限定的。しかしその先端技術を活用して、例えば銃の種類を識別するといった独自の機能を追加することも可能だという。
防犯対策用にこのカメラを試験導入しているロサンゼルス市警は、交通違反の取り締まり分析といった業務に活用して、警察官の訓練に役立てることを想定している。将来的には、プライバシー上の懸念について地域社会と話し合った上で、顔認識技術を取り入れることも検討する。
コーバンの技術は6台までのカメラで利用でき、パトカーに装備したカメラで360度の撮影も可能になる。そうなれば顔認識も容易になる。
撮影した映像はその場で自動解析できるといい、コーバンではパトカーに誰かが近付くと警報が鳴る機能のテストも行っている。
ロサンゼルス市警が車載カメラで撮影したビデオは330万本、ボディーカメラで撮影したビデオは250万本を超す。そうしたビデオの解析には相当の時間がかかっていたが、コーバンの技術を使えば即座に解析できるという。
「2020年までにスマートシティに配備されるカメラは10億台。そのカメラを見るために30億人が必要になる。これは現実的ではない」。コーバンと組むハイテク企業NVIDIAの幹部はそう話している。