ティックトック、大統領令めぐりトランプ米政権を提訴
ワシントン(CNN Business) 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は24日、同アプリの米国の利用を禁止しようとする大統領令は非常に政治色が強いものだとしてトランプ米政権を提訴した。
トランプ大統領と、米国で1億人の利用者がいるティックトックとの対立がさらに激化した形だ。ティックトックは中国のバイトダンス(北京字節跳動科技)が運営している。
トランプ政権は同アプリについて国家安全保障上のリスクだと主張しているが、ティックトックはトランプ政権がそうした主張に関して弁明する正当な機会を与えていないとして、カリフォルニア州の連邦地裁に訴え出た。
ティックトックは大統領令について、米国でのアプリの運営が禁止される恐れがあるほか、米国人1万人の雇用創出が阻まれ、アプリを娯楽や連絡手段、新型コロナウイルスが流行するなかで特に重要な合法的な生計のために利用している数百万人の米国人に取り返しのつかない被害を及ぼす可能性があると指摘。提訴する以外に選択肢はなかったと説明した。
トランプ政権は大統領令を通じて9月20日までに、同アプリに対する懸念に対応するよう求めている。トランプ政権によれば、同アプリが中国共産党に対して米国人の個人情報や機密情報へのアクセスを許す可能性があり、このことにより、中国による連邦政府の職員や受注業者の追跡や、脅迫のための個人情報の収集、企業スパイの実行につながる恐れがあるとしている。
ティックトックは以前、米国の利用者に関する情報は米国とシンガポールに保管されており、中国政府が提供を求めても拒否すると述べていた。