北朝鮮、英アストラゼネカにサイバー攻撃か ワクチン開発企業
(CNN) 北朝鮮のハッカー集団が最近、新型コロナウイルスワクチンの開発を手掛ける英製薬大手アストラゼネカにサイバー攻撃を仕掛けた疑いがあることがわかった。ロイター通信が27日、事情に詳しい情報筋2人の話として報じた。
ロイター通信によると、ハッカー集団はSNS上でリクルーターを装い、アストラゼネカの従業員に接近して偽の求人情報を提示。標的となった従業員の中には新型コロナ研究の担当者もいたという。
ハッカー集団は続けて、ロシア人などのメールアドレスを通じ、職務内容を記したようにみせかけた文書を送信した。実際には文書は悪意のあるコードが仕組まれ、ハッカーらが被害者のコンピューターにアクセスできるようになっていた。
ロイター通信の情報筋によると、犯行は成功しなかったとみられている。
アストラゼネカはコメントを控えたものの、同社と共同でワクチン開発に当たる英オックスフォード大はCNNに声明を寄せ、研究情報を確実に守るため英国立サイバーセキュリティセンター(NCSC)と協力していると明らかにした。
NCSCはこの件に関して直接コメントしていないが、CNNの取材に対して「我が国の最重要資産や医療セクター、ワクチンの研究開発を脅威から守ることに全力を尽くす」としている。
北朝鮮の在ジュネーブ国連代表部の関係者はCNNの電話取材に応じ、ロイター通信の報道は「フェイクニュース」であり、記事の情報は「ねつ造」されたものだと主張した。
北朝鮮のサイバー攻撃を巡っては、韓国の議員が先日、新型コロナワクチンを開発中の韓国製薬企業に対するハッキングを阻止したと明らかにしていた。