女性に偏る家事負担 新型コロナの不均衡な影響、国連報告書が指摘
(CNN) 新型コロナウイルス対策の影響で増えた家事負担は女性の方が圧倒的に多くを担っている実態が、国連女性機関が26日に発表した報告書で明らかになった。
国連女性機関は無給労働に関する38カ国の統計を分析するとともに、約50カ国で電話やインターネットを使って聞き取り調査を実施した。
その結果、女性は男性に比べて家事を担う量が多く、離職者も女性の方が多いことが分かった。新型コロナウイルスの流行が始まって以来、無給の家庭内労働に費やす時間が増えたという回答は女性が60%、男性は54%だった。
中でも育児に費やす時間は、女性が1週間に5.2時間増えたと回答したのに対し、男性は3.5時間増にとどまった。「ほとんどの国では女性が育児のためだけに1週間で30時間以上を費やしている。これはフルタイムで働く1週間の平均労働時間にほぼ匹敵する」と報告書は指摘する。
離職者も女性の方が多かったのは、恐らく家事が増えたことが原因だろうと国連女性機関は推定している。
高所得国と中所得国55カ国の労働市場を分析したところ、2020年6月末の時点で労働力外に分類された女性は男性の1.7倍に上った(女性3億200万人、男性1億8200万人)。特に中南米は格差が大きかった。
この前日には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も、新型コロナウイルスが女性や難民に対する暴力をあおっていると指摘、親密なパートナーからの暴力や人身売買、性的搾取、児童結婚など、性に根差す暴力の急増を伝えていた。