中国アントの胡暁明CEOが辞任、規制当局の締め付け強化後

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中国の金融大手アント・グループの胡暁明CEOが辞任した/STR/AFP/Getty Images

中国の金融大手アント・グループの胡暁明CEOが辞任した/STR/AFP/Getty Images

東京/ロンドン(CNN Business) 中国IT大手アリババ集団傘下の金融会社アント・グループは13日までに、胡暁明(サイモン・フー)最高経営責任者(CEO)が辞任したと明らかにした。アントは数カ月前、規制当局の締め付けが強まる中で新規株式公開(IPO)の撤回に追い込まれていた。

アントの広報は「取締役会は胡氏の個人的理由による辞意を受け入れた」と言及。「当社での胡氏の尽力に感謝する」と言い添えた。

同社の公式サイトによると、新たなCEOには井賢棟(エリック・ジン)会長が就任する。井氏は2016年から19年までCEOを務めていた。

アントのデジタル決済アプリ「アリペイ」は知名度が高く、7億人以上の月間アクティブユーザー数を誇る。

アントはオンライン投資や保険、消費者融資といった事業にも多額の出資を行っており、これらを追い風に約6350億ドル(約69兆円)の資産を持つビジネスに成長した。

過去10年はおおむね破竹の勢いで成長を遂げたが、現在は中国政治の風向きが変わりつつある。中国政府はアントのような民間企業について、成功を望むなら中国共産党の統制に服することが期待されると明言している。

中国政府はここ数カ月、統制強化の取り組みの一環として、IT企業の支配を拡大してきた。

昨年11月には過去最高額となるはずだったアントのIPO中止を余儀なくさせたほか、事業の全面的見直しも指示。当局はアリババに対する独禁法捜査に着手し、競合するIT企業の幹部を聴取して、新規則の策定を示唆している。

胡氏は2006年にアリペイ関連会社に入社。それ以前は中国建設銀行や中国光大銀行に勤務していた。アリババとアントでさまざまな役職を歴任した後、19年にアントCEOに選任された。

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