アップル「Airtag」で子どもを追跡、CNN記者がプライバシー機能を検証
ニューヨーク(CNN Business) 米アップルが、カバンや鍵などの持ち物を見つけられる小型トラッカー端末「AirTag」を発売した。CNN記者は実験的に、これを子どものかばんに付けて学校に送り出し、プライバシー機能を検証した。
私は「AirTag」の付いたキーチェーンを息子のかばんに取り付けて、スクールバスに乗る息子に手を振った。スマートフォン「iPhone」の「探す」アプリで確認すると、スクールバスは自宅から数ブロック先の信号で停止していた。
ところがその後、アプリ上の小さな「鍵」のアイコンは動かなくなった。「最後に検出された」のは7分前、場所は1マイルほど離れた交通量の多い交差点だった。恐らく交通渋滞か。それから5分過ぎても情報は更新されない。アプリに問題があるのだろうか。さらに10分過ぎたが何も変わらない。心臓がドキドキし始めた。
ようやく4マイルほど離れた学校前でAirTagが検出された。胸をなでおろした私は、この場合、情報量が多い方が悪いと判断して、鍵のみの追跡に戻ることにした。アップルの説明によると、遅れが出たのは、位置情報が更新されるためにはAirTagがバスのルート上で短距離無線技術のブルートゥースを使って、「探す」アプリのネットワーク内にある他のiOS端末(iPhoneやiPadなど)と通信する必要があるためだった。
それでも私の実験によって、こうしたトラッカー端末を使えば簡単に他人を追跡できてしまうことがはっきりした。私は息子が学校に着いた瞬間も、帰りのバスに乗った瞬間も知ることができた。
アップルが今月発表したAirTagの値段は29ドル(約3200円)。鍵や財布、ノートパソコン、車などに取り付けて、自分の持ち物がどこにあるかを確認できる。同じような製品はサムスン電子やソニー、タイルも販売しているが、AirTagはより正確に位置を特定できるという。