中国テンセント、子どものゲーム制限を強化 国営メディアが「精神的アヘン」と批判
ニューデリー(CNN Business) 中国のIT大手テンセントは3日、未成年者がオンラインゲームに費やす時間などの制限を強化すると発表した。同日の香港株式市場では、テンセントの株価が一時10%あまり下落した。
中国では、IT企業に対する政府の締め付けがゲーム業界にも及ぶのではないかとの懸念が広がっている。
3日には国営新華社通信系の経済参考報が、ゲームによる子どもへの害について長文の論評を掲載。テンセントの人気ゲーム「王者栄耀」を例に挙げ、「精神的アヘンが数十億ドル規模の業界に発展している」と批判した。
テンセントは同日、未成年者に対する時間制限を平日1時間まで、休日は2時間までとする方針を発表。12歳未満の子どもに対してはゲーム内課金の支払いを禁止し、業界としてゲームを全面的に禁止する措置も検討すると表明した。
テンセント株はこの日、前日比約6%安で取引を終えた。
経済参考報の論評はその後、説明のないままいったん取り下げられ、4日に「精神的アヘン」「電子ドラッグ」の表現を削除して再度掲載された。同日の香港市場でテンセント株は反発し、4.7%上昇した。
中国政府は2019年、18歳未満のゲームについて午後10時から午前8時までは禁止し、平日は90分、休日は3時間までとする制限を発表していた。
中国のIT株は先週、規制強化への懸念から急落し、テンセントも48時間のうちに1000億ドル(約11兆円)相当の時価総額を失っていた。