ウォルマート装う虚偽のプレスリリース、暗号資産ライトコインが25%急騰
ニューヨーク(CNN Business) 暗号資産(仮想通貨)「ライトコイン」の価格が13日、一時的に約25%上昇した。発端は、米小売り大手ウォルマートでライトコインを使ったオンライン決済ができるようになるとした偽造ニュースリリースだった。
ツイッターではライトコインの認証済みアカウントにこの発表へのリンクが掲載された。発表はプレスリリースサービスの「グローブニューズワイヤ」に掲載され、ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)のでっち上げの談話を盛り込むなど、もっともらしく見せかけてあった。ちょうどウォルマートは、本社に勤務する暗号通貨の専門職の求人を掲載したばかりだった。複数の大手報道機関がこのニュースを取り上げた。
しかしこの発表が虚偽だったことを、ウォルマートの広報が確認した。ウォルマートはライトコインでの決済に対応しておらず、ライトコインは問題の投稿を削除した。その発表の1時間後、ライトコインは220ドル以上下落して、偽リリースが流れる前の取引水準に戻った。
誰が仕掛けたのかは不明だが、狙いは価格操作だったと思われる。価格操作の手口では、資産を購入した者が虚偽のニュースを流し、価格が高騰したところで売り抜ける。
グローブニューズワイヤはCNNが取材した数分後に問題のプレスリリースを削除して訂正を発表し、投資家やメディアに対して発表を無視するよう促した。
同サービスを運営する親会社のイントラドによると、虚偽のニュースリリースは、同サービスに何者かが作成した「偽ユーザーアカウント」から発表されたという。同社はシステムが悪用された経緯について徹底調査すると表明した。