英規制当局、マイクロソフトのゲーム大手買収を認めず

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アクティビジョン・ブリザードの「コール・オブ・デューティ」をプレーするゲーマーら/Chris Ratcliffe/Bloomberg/Getty Images

アクティビジョン・ブリザードの「コール・オブ・デューティ」をプレーするゲーマーら/Chris Ratcliffe/Bloomberg/Getty Images

ロンドン(CNN) 英国の独占禁止規制当局は26日、米マイクロソフト(MS)による米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの買収を認めない判断を下した。実現すればハイテク業界で過去最大規模の買収となるが、クラウドゲーム部門での競争に悪影響を及ぼしかねないとの懸念から阻止に動いた形だ。

競争・市場庁(CMA)は声明で、買収の結果「イノベーションが縮小し、英国のゲーマーの選択肢が今後数年にわたって狭まるのではないか」との懸念を表明した。

昨年初めに発表された買収計画は690億ドル(現在のレートで約9兆2000億円)規模。MSのクラウドゲーム部門での立場を「一段と強化する」とみられていた。CMAが付け加えたところによれば、同社はこの市場で既に世界シェアの6~7割を握っている。

アクティビジョンの株価は26日、11%以上の値下がりを記録。これに対しMSの株価は8%上昇した。

アクティビジョン・ブリザードはビデオゲーム開発で世界有数の大手企業。代表作には「コール・オブ・デューティ」、「ワールド・オブ・ウォークラフト」、「ディアブロ」などのタイトルがある。一方、家庭用ゲーム機「Xbox」シリーズを手掛けるMSは、ビデオゲームのサブスクリプションサービスを提供する他、クラウド上のビデオゲームの配信サービスも行っている。

両社のビジネスを組み合わせる当該の買収計画を巡っては、各国の規制当局から反対の声が上がっていた。昨年12月には米連邦取引委員会(FTC)が、市場の競争に関する同様の懸念から買収を阻止するための訴訟を起こした。審理は今年8月に行われる予定。欧州連合(EU)も、現在買収計画を精査している。

MSとアクティビジョンは共に、CMAの決定に異議を申し立てる方針だ。アクティビジョン・ブリザードのボビー・コティック最高経営責任者(CEO)は声明で、MSと共に競争審判所(CAT)への異議申し立ての手続きを開始したと明らかにした。

ただ申し立てが成功する見込みは小さいかもしれない。ロンドンの法律事務所フラッドゲートのパートナーを務めるアレックス・ハフナー氏はCNNの取材に答え「申し立てる側は判断が不合理なものだと証明しなくてはならない」「ハードルはかなり高い」と指摘した。

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