米NY市、若者の精神衛生危機めぐりSNSを提訴
(CNN) ティクトックやインスタグラムなどのSNSが若者の精神衛生危機を生じさせているとして、米ニューヨーク市が大手各社を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こした。市はSNSに関連する健康問題への対応に年間1億ドル(約150億円)の負担を強いられていると主張している。
被告はティックトック、インスタグラム、フェイスブック、スナップチャット、ユーチューブの大手SNS。ニューヨーク市はこうしたSNSの仕様が原因で、うつや自殺願望といった心の健康問題が増えたと主張。「若者の心の健康問題に対応している市や学区、公立病院に多大な負担を生じさせた」としている。
これに先立ち米議会で行われたSNSの問題に関する公聴会では、若者、特に10代の女子が、心の健康を損なわせ、体に対するイメージを傷つける有害コンテンツにさらされていると議員らが訴えていた。
米国ではSNSが子どもたちの精神衛生状態に悪影響を与えたとして訴えを起こす家族や州、自治体が増え続けている。しかしニューヨーク市のエリック・アダムス市長は14日の記者会見で、「公衆衛生局長がたばこと銃に対して講じたのと同様に、ニューヨーク市は米国の大都市として初めてこれほどの規模の措置を講じ、SNSの危険性について明確かつ直接的に声を上げた」と強調した。
市は訴訟を通じて損害賠償を求めるとともに、予防教育や精神衛生治療に充てる救済措置を求めている。
市はさらにSNS行動計画も発表。SNS各社に責任を取らせて若者や家族の啓発や支援を行うとともに、SNSが若者に与える長期的な影響について研究する計画を打ち出した。