米マイクロソフト、PC人気を取り戻す新たな方法に自信
(CNN) 米マイクロソフトは20日、人工知能(AI)搭載コンピューターを発表した。同社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」に直接AIを組み込むことで、低迷するパソコン(PC)の販売を回復させたい考えだ。
サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は米ワシントン州レドモンドの本社で開催された同社の年次開発者会議で、自分たちがコンピューターを理解しなければならないのではなく、自分たちを理解するコンピューターを作るという長年の目標に近づいたと語った。「我々は本当のブレークスルーに近づいていると感じている」
高度なAIツールを動かすプロセッサーを搭載したこのコンピューターは、PCの販売がここ数年停滞する中で登場した。同社は、特にAIが日常生活の一部となっていくことが予想される中、新しいマシンが販売を押し上げ、活気を取り戻すことを期待している。
マイクロソフトの新しいラインアップである「コーパイロット+PC(プラス・ピーシー)」は、新しいタブレット端末「サーフェス・プロ」とノート型PC「サーフェス・ラップトップ」などで展開される。搭載されているAIツールはデバイス上で処理が実行されるため、インターネット接続を必要としない。
新しいハードウェアでは米オープンAIの新しいモデル「GPT―4o」を利用できる。GPT―4oは「チャットGPT」をリアルタイムの音声会話に参加してテキストと「視覚」を使って対話できるデジタルパーソナルアシスタントに変えることを目指している。先週発表された同モデルは、ユーザーがアップロードしたスクリーンショット、写真、文書、図表をもとに会話できる。
この新しいハードウェアは、検索エンジン「ビング」や業務用クラウドサービス「マイクロソフト365」を含むさまざまな製品で動作する「コーパイロット」と呼ばれるマイクロソフトの既存のAIアシスタントを強調するものでもある。コ―パイロットは、文章を書いたり、「アウトルック」で電子メールを把握したり、「パワーポイント」でプレゼンテーションをデザインしたりといった作業を支援できる。
「Recall(リコール)」と呼ばれる新機能の一つは、個人的な「タイムマシン」として機能し、ユーザーは自分のコンピューターから文書や画像、ウェブサイトなどを素早く見つけられるようになる。デバイス上で40以上の言語にリアルタイムで翻訳できる機能もある。
同社はパーソナルアシスタントの役割を果たす「チーム・コーパイロット」と呼ばれる新たなツールも披露。個人だけでなくチーム全体に代わって会議の進行役として議題を作成したり、メモを取ったりできる。