アサンジュ被告に米移送への異議申し立てを認める判断 英高等法院

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英裁判所の外でアサンジュ被告の米国への引き渡しに反対の声を上げる人々/Maja Smiejkowska/Reuters

英裁判所の外でアサンジュ被告の米国への引き渡しに反対の声を上げる人々/Maja Smiejkowska/Reuters

(CNN) 内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者で、英国で収監されているジュリアン・アサンジュ被告(52)が、米国への身柄引き渡しを求められ抵抗している問題で、英高等法院は20日、同被告に異議を申し立てる権利があるとの判断を下した。

米当局は、アサンジュ被告が機密文書を暴露したなどとしてスパイ罪で起訴し、英国に身柄の引き渡しを求めてきた。米国での裁判で有罪となれば、終身刑を言い渡される可能性がある。

高等法院は3月、米当局に対して、被告が米憲法に基づく保護を受けることや死刑を科されないことを保証するよう求め、引き渡しを認めるかどうかの最終判断を保留していた。

米検察は米憲法下での保護を保証し、死刑に問わないとする文書を提出したが、弁護側は20日の法廷で、英判事がこれを受け入れるべきではないと主張。被告はオーストラリア生まれの外国人だという理由で差別を受ける恐れがあると指摘した。

判事は米国側の保証が不十分だとして、被告に言論の自由と国籍に関する申し立てを認めた。次回の日程は設定されていない。

20日の判断を受け、ロンドンの高等法院前では、被告の支持者ら数十人が歓声を上げた。ドラムをたたく人、起訴の取り下げを叫ぶ人や、バイデン米大統領に被告の放免を求めるプラカードを掲げた人もいた。

被告の妻ステラさんは、この判断が「転換点」になると述べ、米国側の主張は民主主義の原則や人々の「知る権利」に反し、ジャーナリストへの攻撃に相当すると批判した。

支援者の1人は担当弁護士の話として、被告は自身の生死を決める裁判を前に、眠れない日々を過ごしてきたと指摘。この日の判断は本人にとって「一筋の希望」になると語った。

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