ロシア政府、テレグラムの安全性に対する懸念払拭の動き フランスでのCEO拘束受け
ロシアのラブロフ外相は27日、モスクワでの記者会見で「ドゥロフ氏は明らかに誰かの助言で連行され、恐ろしい処罰を与えると脅されている。暗号コードへのアクセスを望んでいるようだ」と証拠を示すことなく主張した。
約9億5000万人のユーザーを抱えるテレグラムは、世界で特に人気のあるメッセージングアプリの一つだ。強力なエンドツーエンド暗号化や限定的なコンテンツモデレーションのほか、競合アプリよりも長尺の動画や高画質の写真を共有できる機能性により、言論の自由が制限されているロシアとウクライナで高い人気を得ている。ウクライナでは当局が軍の最新情報や空襲の警告を共有するための重要なツールとなっている。
ロシア・モスクワにあるクレムリン宮殿/Lorenzo Di Cola/NurPhoto/Getty Images
ロシア軍や親ロシア政府ブロガーにとっても重要なコミュニケーションツールだ。78万人以上のフォロワーを持つロシア支持派のブロガーは、フランスによるドゥロフ氏拘束の決定は「本質的にロシア軍の通信トップが拘束された」ことを意味するとする投稿を再共有した。
別のブロガー氏はテレグラムについて「軍事通信の基盤」だと述べた。ロシア政府当局者は公にこの主張に異議を唱えている。
このブロガーは、テレグラムは公式のものに代わる強力な民間メッセージアプリであり、より効率的な情報源だと指摘する。西側諸国の諜報(ちょうほう)機関に事実上管理されていない個人のブログプラットフォームでもあるという。
テレグラムが親ロシア派の軍事ブロガーの間で人気があり、ロシア政府がドゥロフ氏を積極的に支援していることにはやや驚きがある。ドゥロフ氏は以前、自身が運営していたフェイスブックのようなSNSのユーザーデータを政府に提供することを拒否していたからだ。