機内飲料、味の決め手は「うまみ」にあり
(CNN) 航空機の機内でトマトジュースやトマト味のカクテルを注文する乗客が多い理由は「うまみ」にある――。オンライン学術誌の「フレーバー」にそんな論文が発表された。
これまでの研究によれば、航空機のエンジンなど騒音の中で飲食をすると、30%も味覚が減退することが分かっている。しかし研究チームが発表した論文「航空機の騒音とうまみの味」によれば、うまみはこの影響を受けないことが判明し、さらには基本的な味覚を向上させる効果も実証されたという。
うまみは、塩味、苦味、甘味、酸味に次いで「第5の味覚」と呼ばれる。
トマトジュースを使ったカクテルのブラッディメアリーは、機内でも本来の味を保てる数少ない飲料の1つ。「トマトはうまみが豊富なので、機内でブラッディメアリーを頼む乗客は本能的にそのことを察知していたと思われる。今になってそれが徐々に実験で証明されるようになった」と研究チームは解説する。
大音響の音楽を流す北米の飲食店などでは、パルメザンチーズやトマト、マッシュルームなど、うまみが豊かな食材を使うといいかもしれないとも提案した。
ただ、仮説を実証するためにはさらに研究が必要だとしている。