ハンガリーの国民的スパイス「パプリカ」入門
2.2つのパプリカ博物館
ハンガリーにはパプリカにちなんだ2つの祭りがある。1つはブダペストの南約120キロに位置するカロチャの祭り、もう1つは1世紀以上前からハンガリーのパプリカ産業の中心地であるセゲドの祭りだ。
また2つの博物館は、どちらも現在稼働中の生産工場でもある。
セゲド・パプリカ博物館は、サラミ工場と同じ建物にあり、来館者は3種類のサラミと10グラムのパプリカを試食できる。
またロスツクの村にあるパプリカ・モルナーの工場では、同社の最高経営責任者(CEO)のアニータ・モルナー氏が自らツアーガイドを務め、ツアー参加者にはパプリカのサンプルが提供される。
乾燥させたパプリカの実は、見た目が赤いポテトチップスに似ており、ポテトチップスと同じように食べられるため、工場を訪れた子どもたちに大人気だ。
3.ハンガリー産パプリカは非常に甘い
パプリカを種から栽培し、香辛料に加工するのに7カ月かかる。涼しい気候で育ったハンガリー産パプリカは糖分を多く含んでおり、他国で栽培されたパプリカに比べて甘みが強い。
また気候はパプリカの色にも影響する。「ペルーや中国西部など、より温暖な地域では、日光のせいでパプリカは濃い赤色になる」とモルナー氏は語る。
「パプリカは糖分が低いほど赤みが増す」(同氏)