中国人の海外旅行客、世界全体の1割に 支出額は過去最高
中国人の海外旅行熱の高まりの背景には、中国政府が新たな空港建設を進めるなど旅行を督励する方針も後押しする要因もある。消費者支出を促し、製造業依存の産業構造の転換を狙う政策の効果とも受け止められている。
中国人の海外旅行の目的地は最初はアジア地域が多い。ただ、最近はより冒険的な要素がある旅行先や遠隔地を選択することも目立っている。欧州や米国は人気の目的地となっている。年配層は団体旅行を好み、インターネットに慣れている若年層は個人旅行を選ぶ特徴もあるという。
WTTCのデータによると、中国人による海外旅行人気で大きな恩恵を受けたのは日本で、外国人訪問客による関連収入は昨年、49%の激増を記録。スコーシル氏は、日本の観光業界の好況は突然のような形で来ているともし、円安も外国人観光客を呼び寄せる要因になったと指摘した。
また、アイスランドも経済効果で中国人観光客の増加を歓迎する国となっている。WTTCによると、同国の観光旅行分野の成長率は昨年19.4%増となり、経済成長率の全体指数を相当程度上回る結果となった。