超音速機コンコルド、実際の乗り心地は? 経験者が振り返る
飛行前に用を足す
コンコルドには常連客もいたが、1度きりの超音速を体験するために搭乗していた旅客も多かっただろう。
カナダ人のスー・マーシャルさんもそのひとりだ。当時の富裕なボーイフレンドに連れられ、ニューヨーク発パリ行きのエールフランス便に乗せてもらった。
マーシャルさんはJFK国際空港の待合室で優雅なフランス人女性と話を交わし、コンコルド初搭乗であることを認めた。
この女性はコンコルドの常連で、マーシャルさんに対し率直に「今のうちにトイレに行っておいた方がいい。いったん離陸すると狭すぎて用を足すのは不可能だから」とささやいてきたという。
超音速機の改装
リチャード・フォードさんは1980年代、米ランドーアソシエイツ社のチームの一員として、ブリティッシュ・エアウェイズ向けコンコルドの機内改装を担当していた。
フォードさんは「飛行体験について理解を深めるのは細かな技術業務の一環として重要なことだった。私は光栄なことに、その日のうちにロンドン発ニューヨーク行きの帰国便に乗るという機会に恵まれた」と話す。
「機体のサイズは小さかったが、商用便というよりも企業幹部向けのジェット機のようで、素晴らしい性能だった」