旅客機の座席は小さすぎ? 米当局が検証実験、乗客の「大型化」受け
(CNN) 米連邦航空局(FAA)は11月、旅客機で緊急事態が発生した際に乗客が安全に避難できるかどうか検証する実験を行う。体格が大きくなった現代の乗客にとって、今の座席は小さすぎるのではないかと指摘されたことを受けた措置。
実験はボランティア720人が参加して、オクラホマ市にある民間航空医学研究所で12日間かけて実施する。
この実験を通じ、乗客の安全性を高めるために座席のサイズを変更する必要があるかどうかを判断する。座席の幅や奥行き、高さについてはFAAが基準を定めることが法律で義務付けられている。
旅客機の座席については、ポール・ミッチェル下院議員(共和党)が先週、航空小委員会の公聴会で、現代の乗客にとっては座席が小さくなりすぎているのではないかと問題を提起、「今使われているモデルが、本当に乗客の現状を反映しているのかどうかは疑問だ」と指摘した。
これを受けてFAA幹部は同公聴会で、11月から実験を行うと表明していた。
米疾病対策センター(CDC)の統計によれば、米国の成人の肥満率は1999~2000年の30.5%から、2015~16年は39.6%へと上昇している。
44人以上の乗客が搭乗する旅客機の避難シミュレーションでは、90秒以内に避難を完了することが米国の法律で義務付けられている。