ハワイ州、隔離拒否の旅行者の退去費用を負担 新型コロナ対策
(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米ハワイの観光当局が訪問中の旅行者の退去を促す方策として、移動費用の負担に動いていることが24日までに分かった。あらかじめ確保した2万5000ドルの資金を充てる緊急的な措置だとしている。
対象となるのは州が定める14日間の隔離を拒んだ旅行者。ハワイを出る手続きは非営利組織の「ビジット・アロハ・ソサエティー(VAS)」が担当する。同組織は通常、ハワイ滞在中の旅行者のトラブル対応に携わっている。
ハワイ州のクレア・コナーズ検事総長は声明で「新型コロナウイルス感染拡大の危機の中、人々を出発地の空港へ迅速に送り届けられれば、法執行機関にとって大きな助けになる。それによって全州での緊急対策の成功が保証される」と強調。この施策のために州政府が新たな支出をすることはないと付け加えた。
緊急措置の開始からこれまで、19人の旅行者が出発地の空港へ送り返されている。
ハワイ州のイゲ知事は今月1日、州外からの旅行者や州内の島々を移動中の旅行者に対し、2週間の自己隔離を義務付けた。この日以降、州当局は旅行者に向けて同州を訪れないよう呼び掛けている。
自己隔離に違反すれば、訴追されたり罰金を科されたりする場合もある。前出のVASは、こうした違反者の帰国の手配を行い、必要であれば航空券の費用を肩代わりする。
米ジョンズ・ホプキンス大学によれば、ハワイ州での新型コロナウイルスの感染者数は少なくとも596人。これまで12人が死亡している。