航空業界が直面する飛行機雲問題、容易に解決できる可能性も
そこでサテイビアは毎日、飛行機雲を発生させる可能性のある5~10%のフライトを特定し、それらが離陸する前に飛行計画を変更する取り組みを行っている。
つまり、飛行機雲が持続的に形成されやすい大気の一部を通過しないように、航空機が飛行する高度やルートを変更するということだ。
問題は、飛行時間と燃料消費の制限にどう対処するかだ。
「飛行時間には非常に厳しい制限があり、当初の到着予定時刻から5分以内に収める必要がある。その点は交渉の余地はない」とデュラント氏は言う。
燃料消費量に関しては、デュラント氏は燃料消費に全く影響を与えないか、通常の飛行計画をわずかに超える範囲に抑えることを目標としている。
「わずか0.1%か0.2%の燃料消費量の増加で、数百トンの二酸化炭素の削減につながるのであれば、増加幅はごくわずかだが、メリットは非常に大きい。この取り組みは、正しく行えば大きな利点がある」とデュラント氏は主張する。
協調的な取り組み
21年10月、サテイビアの技術を採用した最初の航空機が飛び立った。この航空機を運航したのはアラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空で、同社が進める持続可能性プロジェクトの一つである「グリーンライナー」プログラムの一環として実施された。その後もエティハド航空はサテイビアと協力して数十便を運航した。