航空業界が直面する飛行機雲問題、容易に解決できる可能性も

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エティハド航空は同社の「グリーンライナー」プログラムでサテイビアのソフトウェアを試験している/Etihad

エティハド航空は同社の「グリーンライナー」プログラムでサテイビアのソフトウェアを試験している/Etihad

またサテイビアは間もなく、KLMオランダ航空と協力して別の試験を開始する。

「提供するサービスの規模を拡大するのにともない、23年は協力してくれる航空会社を積極的に探す」とデュラント氏は言う。

21年に科学者らが出した試算によると、飛行機雲対策にかかる費用は年間10億ドル未満であるのに対し、得られる利益はその1000倍以上だという。また、ロンドンに本部を置く理工系大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の調査によると、わずか1.7%のフライトを迂回(うかい)させるだけで、飛行機雲が気候にもたらす被害を59%も削減できるという。

ICLの調査報告書の作成者の一人で、サテイビアとは無関係のマーク・ステットラー氏は、サテイビアの取り組みを全面的に支持しつつも、この飛行機雲の問題は協調的な取り組みが必要だと指摘する。

米国に拠点を置くエネルギー関連の非営利団体ロッキーマウンテン研究所(RMI)は昨年の11月下旬に、この飛行機雲の問題に対処するためのセクター横断的なタスクフォースを立ち上げた。

現在、研究者や学者に加え、ボーイングとエアバス、さらにアメリカン航空、ユナイテッド航空を含む航空会社6社が参加し、解決策の開発とそれらを実行するためのロードマップ作りを目指している。

デュラント氏も他の企業や組織との連携に前向きで、航空業界全体で取り組む必要があると訴える。

またデュラント氏は、今後直面するさまざまな課題は、規制機関の関与なしには解決できないと主張する。

「これは単に科学の問題ではなく、我々が実際にこれをどのように行うかという問題でもある。飛行経路の設定や空の交通整理をより柔軟に行えるようにするためにルールを更新する必要があるが、それこそが今後解決すべき最大の問題となるだろう」(デュラント氏)

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