JAL、国際線新フラッグシップA350―1000の内装を公開
(CNN) 日本航空(JAL)は、同社が約20年ぶりの国際線新フラッグシップとして導入する欧州エアバス「A350-1000」型機の内装を公開した。
A350-1000は広胴型の大型機で、JALは13機を確定発注した。JALによると、当初、11月下旬に羽田―ニューヨーク線での就航を予定していたがものの、サプライチェーン(供給網)の乱れに伴う部品の納入遅れなどにより、就航を延期したという。しかし、年内には就航するとしている。
世界初のヘッドホン不要のステレオ
ヘッドレスト内蔵スピーカーは、航空機のインテリアデザインを手掛ける仏サフランが、音響技術企業の仏デビアレと共同開発した/Japan Airlines
この新しいA350-1000のファースト・ビジネスクラスでは、JALが「世界初」とうたうヘッドホン不要のステレオが利用可能だ。乗客は、座席のヘッドレストに内蔵されたスピーカーで、機内エンターテインメントシステムを楽しめる。
航空機のインテリアデザインを手掛ける仏サフランが、音響技術企業の仏デビアレと共同開発したこの技術は、昨年、ドイツ・ハンブルクで開催されたエアクラフト・インテリア・エクスポ(AIX)で公開された。
AIXで実際にこのヘッドレスト内蔵スピーカーを体験したCNN Travelのフランチェスカ・ストリート記者は、まるで自宅のソファに座って映画を見ているようで、同伴者といっしょに映画を楽しみたい人には最適だと感想を語った。
ファーストクラス
ファーストクラスの座席数はわずか6席で、現在JALの長距離便の多くで使用されているボーイング777―300ERのファーストクラスよりも2席少ない。左右に3席ずつ配置されており、各座席(スイート)にはプライバシーを確保するためのスライディングドアが設置されている。
座席上の収納棚を設けない代わりに収納スペースを広く取り、さらに小型のクローゼットを設置した。
座席の形態はソファ、シートとシングルベッド、ダブルベッドの3種類から選択可能だ。
各設備の寸法は、個室の壁高が約157センチ、シートピッチは約211センチで、座席幅が約123センチだ。またベッドの長さは最大約203センチとなっている。
ビジネスクラス
ビジネスクラスには扉を設けてプライバシーを確保できるようにした/Japan Airlines
ビジネスクラスの座席は、現行の777―300ERの49席から54席に増やし、1―2―1の14列配置となっている。JALは、座席数は増えたが、乗客がくつろげるよう前後の間隔を十分に確保したとしている。
また個室に扉を設置し、乗客のプライバシーを確保するとともに、座席上の収納棚を窓側のみに配置することにより、開放感のある空間を作り出している。
個室の壁高は約132センチで、個室に設置されているモニターの画面サイズは24インチだ。また座席幅は約56センチ、シートピッチは約130センチで、座席をベッドにすると約198センチの長さになる。ベッドには、体圧分散構造の特別なクッションを採用しているという。
また同伴者のいる乗客向けに電動プライバシーパーティションを備えるほか、各個室には小型のクローゼットなど、ファーストクラスと同様の収納スペースが用意されている。
プレミアムエコノミー・エコノミークラス
プレミアムエコノミークラスはパーティションのほか、電動のレッグレストを備える/Japan Airlines
プレミアムエコノミークラスの座席数は24席で、2―4―2の3列配置となる。最大の特徴は、座席間に大型のプライバシーパーティションが設置される点だ。
またプレミアムエコノミークラスとしては世界初となる電動リクライニング機能が導入されるという。
座席幅は約48センチ、シートピッチは約107センチとなっている。各座席は電動レッグレストを備え、レッグレストが水平になるように調整し、足を伸ばして座ることも可能だ。
さらに画面サイズが現行モデルの1.3倍の16インチ4K大画面モニターも備える。
そして最後にエコノミークラスだが、JALは英スカイトラックスが毎年発表する「ワールド・エアライン・アワード」で「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート」を6期連続で受賞しており、A350―1000のエコノミークラスについても、広い足元空間と快適な座り心地にさらに磨きをかけたという。
独レカロが設計したエコノミークラスの座席数は155席で、座席幅は業界平均の上位である約46センチ、シートピッチは約84~86センチだ。3―3―3の18列配置となっている。
各座席に設置されている13インチの4Kモニターはブルートゥース接続が可能で、乗客は自分のヘッドセットで機内エンターテインメントシステムを楽しむことができる。