クルーズ船で次々にノロウイルス、過去10年あまりで最悪の流行 米CDC統計

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CDCは胃腸疾患の報告の増加が新たな傾向を示しているのか判断するのは時期尚早だと示唆している/Soeren Stache/picture alliance/Getty Images/FILE

CDCは胃腸疾患の報告の増加が新たな傾向を示しているのか判断するのは時期尚早だと示唆している/Soeren Stache/picture alliance/Getty Images/FILE

増加傾向

CDCによれば、24年の1年間にクルーズ船で発生した胃腸疾患の流行は計16件と、過去10年あまりで最多だった。23年は14件が報告されていた。

CDCの広報はCNN Travelの取材に対し、「2023年も2024年もパンデミック前に比べてクルーズ船での流行が多かった。それが新しいトレンドなのかどうかはまだ分からない」と述べている。

コロナ禍でクルーズ業界が閉鎖状態にあった20~22年にかけては報告数は減少。19年の報告数は10件だった。

コロナ禍前の06~19年にはクルーズ船での胃腸疾患は減少していたという。

CDCの統計が対象としているのは、米国に寄港して外国を訪れる旅程があり、乗客13人以上が乗船する船舶のみ。世界中のクルーズ船を対象としているわけではない。

船上の感染対策

胃腸疾患の症状がある乗客がすぐに報告して医務スタッフの指示に従えば、感染の拡大を抑える助けになると、CDC広報は説明する。

また、特にトイレの使用後や飲食の前にはよく手を洗う必要がある。

クルーズ船は、症状のある乗客や乗員の隔離から流行が起きた船の洗浄や消毒に至るまで、感染拡大防止策の徹底を自負している。

それでもノロウイルスは非常に感染力が強いことから、クルーズ会社によるそうした対策を全てすり抜けてしまう可能性もあるとシャフナー氏は言う。

米国のノロウイルス流行が25年以降も続くのかどうかは専門家にも予想できないと同氏は指摘。「まず第一に、体調がすぐれなければ家にとどまり、別のクルーズを予約し直すこと」とアドバイスした。

「第二に、クルーズ船では衛生対策の指示に細心の注意を払い、特に手指の衛生には気を配る。この状況では消毒用ウェットティッシュや消毒液を使うよりも石鹸と水の方がいい。ノロウイルスはウェットティッシュや消毒液に使われるアルコールにはあまり影響を受けない」とシャフナー氏は話している。

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