米東海岸にハリケーン接近で厳戒、首都にも非常事態宣言
(CNN) カリブ海のハイチなどで少なくとも67人の死者を出したハリケーン「サンディ」が米東海岸に接近し、一帯に猛烈な暴風雨と洪水や停電などの被害が予想されている。オバマ大統領は28日、首都ワシントンやニューヨーク州などに非常事態を宣言。空の便は軒並み欠航し、ワシントンの地下鉄なども29日の運行停止を決めるなど、大都市の公共交通網がマヒ状態となっている。
サンディは米東部時間の28日午後8時現在、ノースカロライナ州の沿岸沖から約450キロの地点にあって、北東の方向に進んでいる。29日夜にもデラウェア州付近に上陸する見通し。
勢力は5段階で一番低い「カテゴリー1」になったが、暴風圏は中心部から約280キロと異例に広い範囲にまで及び、西側からの寒冷前線とぶつかると、東海岸一帯に猛烈な暴風雨をもたらす恐れがある。ハリケーンが通過する31日までの数日間で、洪水や停電などの被害が広がることも予想され、米沿岸警備隊の担当者は「サンディはとてつもないエネルギーを持っている。壊滅的な事態にもなりかねない」と危惧する。
28日の時点で既に、バージニア州などの沿岸には高波が押し寄せて一部で停電が発生、デラウェア州では道路が冠水する被害が出ている。ノースカロライナ、ニュージャージー、メリーランド、デラウェアの各州では沿岸部などの住民に避難命令が出された。