獣舎に転落の幼児、リカオンの群れに襲われ死亡 米ピッツバーグ
事件後、動物園の園長は、男児を救うのは不可能だったとの見方を示した。
男児は柵の手すりから滑り落ち、安全網に跳ね返されてリカオンの獣舎の中に転落。すかさずリカオンが襲い掛かった。だれかが飛び込めば救出できたかとの質問に対し、園長で獣医のバーバラ・ベーカー氏は「専門家の意見として、答えはノーだ。獣舎には11頭のリカオンがいた」と述べた。
近くにいた職員やすぐに駆けつけた職員もいたが、「男児が死んでいるのは明らかで、職員を送り込んでも危険にさらすだけだった」という。
ベーカー氏によると、園内の手すりはすべて子どもを乗せにくい構造にしてある。万一乗せられた子どもが滑っても、獣舎と反対の外側へ落ちるような角度になっているという。動物園に万全の態勢を取っていなかった責任があるかという質問に、ベーカー氏は「万全の態勢などあり得ない」と答えた。
ピッツバーグ警察によると、男児は当時、母親(34)と一緒にいた。警察は目撃者や動物園関係者から事情を聴くなど、捜査に乗り出している。動物園は9月に農務省の検査に合格し、リカオンは同月、検診と狂犬病の予防注射を受けていた。
動物園は6日に再開するが、リカオンの獣舎は当分の間閉鎖される。