北朝鮮の核武装は「受け入れられない」 米国務長官
(CNN) 北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)の原子炉を再稼動すると表明したことに対し、米国のケリー国務長官は2日、「核国家」としての北朝鮮は「受け入れられない」との立場を改めて示した。
ケリー長官は同日、ワシントンで韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外交通商相と会談した。長官は終了後の共同記者会見で、北朝鮮の行為は「挑発的であり、危険、無謀だ」と非難。「米国は自国と同盟国である韓国、日本を守るために必要な措置を取る。われわれにはその用意と能力があり、北朝鮮もこれを理解しているはずだ」と述べた。
また、国連の潘基文(パンギムン)事務総長は同日、「核による脅しはゲームではない。事態を沈静化に向かわせなければならない。誰も望まない方向へ進む恐れがある」と述べ、解決のためには「対話と交渉」が唯一の方法だと強調した。
北朝鮮の友好国である中国も、原子炉再稼動の発表に「遺憾」の意を示している。外務省報道官は「中国は常に朝鮮半島の非核化、地域の平和と安定の維持を主張してきた」と語った。
日本の菅義偉官房長官は、再稼動は核問題を巡る6者協議と国連安全保障理事会決議に違反する行為だと指摘し、「重大な懸念を持って対応していかなければならない」と述べた。
北朝鮮は最近、韓国や米国に対して核攻撃の可能性を示唆するなど、挑発的発言を繰り返してきた。
寧辺の原子炉は、2007年の6者協議の合意に基づいて無能力化されていた。オーストラリア国立大学核不拡散軍縮センターのラメシュ・タクール所長は、これを再稼動させても北朝鮮の軍事上、大きな影響はないとの見方を示す。「北朝鮮は今回の発表を将来の交渉材料とするか、あるいは内部の統率強化に利用する狙いがあるのかもしれない」と、同所長は話している。