米当局、「ナイフ持ち込み許可」のルール改定を延期
ワシントン(CNN) 米運輸保安局(TSA)は22日、米旅客機への小型ナイフ持ち込みを認めるルール改定について、25日に予定していた施行を延期すると発表した。
TSAは声明で、施行前に航空業界関係者や乗客、捜査専門家らで構成する諮問委員会からの追加意見を検討すると述べた。
小型ナイフは2001年9月の米同時多発テロ以降、つめ切りやドライバー、化粧用はさみなどとともに米機への持ち込みが禁止された。ルール改定では、刃の長さ2.36インチ(6センチ)以下、幅0.5インチ(1.27センチ)以下の折り畳み式で、刃が固定されないタイプのナイフの持ち込みが認められることになっていた。TSAは新たな施行予定日を明らかにしていない。
同時テロでは多数の品目が持ち込み禁止となったが、TSAは近年、機内の安全対策が強化され、脅威の内容も変化したとして、段階的にルールを緩和してきた。
乗客が手荷物検査で没収される品目の中でも、ナイフは特に数が多い。ボルティモア・ワシントン国際空港では1日平均35本前後、ロサンゼルス国際空港では同47本前後に上る。
TSAのピストール局長は、ルール改定が手荷物検査の効率化につながり、より危険度の高い品目に集中できるようになると主張。これに対し、一部議員や乗務員、航空会社などが「危険な変更だ」「利用客にも間違った印象を与える」と強く反対していた。反対派の議員からは「延期するだけでなく、廃案にすべきだ」との声も上がっている。