米国、エジプトへの戦闘機供与を延期 民政復帰へ圧力か
(CNN) 米国防総省のリトル報道官は24日、ヘーゲル国防長官が同日、エジプトのシーシ国防相と電話会談を行い、米国が予定していたエジプトへのF16型戦闘機4機の引き渡しを延期する考えを伝えたと明らかにした。
エジプトは軍による事実上のクーデター発生で、ムルシ前大統領が拘束される政治混乱下にあり、同戦闘機の供与凍結はエジプトの暫定政権に対し早期の文民統治への復帰を促す狙いがあるとみられる。
米政権当局者が先に示していた、F16戦闘機4機は予定通りエジプトに引き渡されるとの方針の転換となっている。同報道官は、引き渡し延期はエジプトの全般的な情勢を踏まえた決定としている。
また、国防長官と国防相の電話会談ではシーシ氏が24日に行った軍支持の大規模デモの呼び掛けも取り上げられたと語った。米側は事態の一層の紛糾を懸念したとみられている。
オバマ米政権は、ムルシ政権崩壊につながった政変をこれまで「クーデター」と位置付けていない。クーデターが起きた国への軍事援助を禁じる米国内法を踏まえた対処となっている。同報道官は、クーデターと呼ぶかどうかの解釈で米政権の決定はまだないと述べた。
米国は当初、総額13億ドルに達する軍事援助の一環としてF16戦闘機4機を今年8月末までに引き渡す予定だった。軍事援助には米国製戦車エイブラムスの部品なども含まれる。
リトル報道官は、同戦闘機の供与に踏み切る時期については未定と説明。引き渡しに何らかの条件を付けるのかは不明となっている。
報道官はただ、今年後半にエジプトと計画していた合同軍事演習「ブライトスター」は予定通り実施すると述べた。