米政権と議会指導部、債務上限引き上げと予算案で大筋合意
(CNN) 米連邦政府の債務上限の引き上げと予算案をめぐり、与野党両党の議会指導部とホワイトハウスが26日、大筋で合意に達した。協議の内容に詳しい議会筋が明らかにした。
合意案は早ければ28日にも採決にかけられる。下院では、先月末に辞任を表明した野党・共和党のジョン・ベイナー下院議長の後任を選ぶ選挙が28日に実施され、29日にはポール・ライアン下院議員が選出される見通し。ベイナー氏はライアン氏への引き継ぎまでに、財政問題にめどをつけたいとの意向を示してきた。
米政府の債務はすでに議会が定める上限に達し、引き上げが11月3日までに実現しなかった場合はデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。
また今月1日から始まった2016会計年度の予算が成立していないため、12月11日を期限とする暫定予算で危機をしのいでいる状態。この期限が切れるまでに予算が可決されなければ、政府機関が閉鎖に追い込まれる可能性がある。
合意案は、政府側の求めに応じて債務上限を17年3月まで、1年以上にわたって引き上げる内容。予算案では歳出が一律に削減されるが、その上限を今後2年度で計800億ドル(約9兆6000億円)引き上げ、国防費と国内事業費に半分ずつ振り分ける。
共和党内の保守派からは譲歩が大きすぎると反発する声が上がっているものの、国防予算の拡大が有力な説得材料になるとの見方が強い。同党の重鎮、ジョン・マケイン上院議員はこの案を支持すると述べた。
ベイナー議長はホワイトハウスや与党・民主党のペロシ下院院内総務、上院のマコネル共和党院内総務、リード民主党院内総務らと直接交渉して詳細を詰めてきた。しかし最終的な成立までには両党それぞれの議員から支持を取り付ける必要があり、今後の協議で合意内容が変更される可能性も残っている。