よみがえるブラックパンサー、米社会に根強い影響
このプログラムを、国内のテログループを壊滅させた最も成功した作戦の一つと見るか、国民を監視する警察国家のように政府が動いた恥ずべき歴史と見るかは、人々の間で見解が分かれている。
同党の元指導者の一人は当時を振り返り、「パンサー党がしたことよりもささいなことで人々が殺される状況だった」「(活動は)ひざまずいて生きるか、自立して死ぬかの選択だった」と述べた。50年後の現在も同じ闘争が続いていることについては、「黒人に対する法外な暴力やテロは米国の歴史の重要な一部となっているようだ」との見方を示した。
パンサー党は確かに一世を風靡(ふうび)した。だが、最終的には失敗したとみるべきだろうか。同党は77年、実質的に解散。ニュートンも89年、薬物をめぐる争いで若いギャングのメンバーに殺害された。
ただ、パンサー党の影響は今日でも残っており、イスラエルやインドなどに派生団体があるという。ネルソン監督は、同党は少なくとも一つの勝利を上げたと指摘する。「パンサー党は何もないところから出発した。だが50年後の今でも依然、語り継がれている」
パンサー党が目指した革命はまだ実現していない。だが、彼らが作った政治とポップカルチャーの新たなルールは今でも息づいている。